2024年に読んだ小説一覧

2024年1月

  • 織守きょうや『花束は毒』

結婚直前の友人に脅迫状が届いていることを知り、学生時代にいじめを解決してくれた先輩の女探偵に頼んで犯人捜しをしていく話。かなり凝っているが重心は人間のドロドロに寄っている感じ。

  • 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!6巻』

マケイン6巻。高校恋愛ラノベあるあるの陰キャ体力ない男主人公が猛特訓する展開。かなり気持ちが傾いてきていている。

  • 澤村御影『准教授・高槻彰良の推察9巻』

  • 呉勝浩『爆弾』

爆弾テロ魔VS警察の頭脳戦、というよりサスペンス。途中まではちょっと読みづらいけど中盤からはスズキタゴサクの魅力に引き込まれていく。

2024年2月

  • 珪素『異修羅9巻 凶夭増殖巣』

全体通して「蘇る」がかなり印象付けられた巻。本当に化け物しか残っていない上に 残っている奴らも化け物になるか化け物に殺されるかしかしない世界、異修羅。

2024年3月

  • 加藤鉄児『実家暮らしのホームズ』

探偵コンテスト(?)で優勝しながら行方をくらませた男は子供部屋ニートだった。トリックは面白いんだけど最初からそうだと思っていたぜ!という展開と、主人公ageがちょっと多かった印象。

  • サラ・ピンスカー『いずれすべては海の中に』

フィリップ・K・ディック賞を受賞したミュージシャンでもある作家の短編SF集。幻想と現実がちょうどよく、ふわふわしていながら傷跡を残してくる感じ。「深淵をあとに歓喜して(In Joy, knowing the Abyss Behind)」が結構好き。

  • 夢野久作『少女地獄』

虚構の天才で周りから愛される天才である、「自分の空想が生んだ虚構の事実を、唯一無上の天国と信じて、生命がけで抱き締めてきた」少女である姫草ユリ子の嘘が破綻するまでが細かく描かれてて良い。

「彼女を生かしたのは幻想です。彼女を殺したのも幻想です。」

2024年4月

  • 似鳥鶏『叙述トリック短編集』

叙述トリックがあると示すこと自体がネタバレな中でちゃんとひっくり返してくれる。合う人と合わない人がいそう

  • 竹田人造『AI法廷の弁護士』

AI裁判官が導入された世界で、ズルい方法を使って(要するにAIや機械をハックして)勝っていく弁護士の話。テクノロジー系の知識が多少あってリーガルハイみたいなコミカルな法廷劇が好きならおすすめ。ちょっとテクノロジーを語りすぎているきらいはあるが…。

  • 桐野夏生『日没』

いわゆる表現の自由のないディストピア小説で、かなり『華氏451度』がチラつくんだけど、より現代と地続きな感じ。“矯正"のされ方がかなりリアルに囚人以下で気が滅入るけど、結構スルスル読めた。

  • 小林泰三『玩具修理者』

一番好きな作家のデビュー作。どんな玩具でも修理してくれる男の話。材料は問わない。同時収録の「酔歩する男」はありきたりなタイムトラベルパラドックスを扱いながらこんなに面白くしてくれるんだって感じ。

  • 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』

平和堂から天下を取りに行く成瀬ちゃんと振り回される幼馴染。天下を取れたり取れなかったりする成瀬が結構好きになった。

  • 小林泰三『幸せスイッチ』

極端なグロやSFでないから小林泰三入門編(ただし、小林泰三に慣れていない人間は途中の理不尽に耐え切れずに離脱してしまう…。)

  • 芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』

いわゆるイヤミス。小さなやらかしを隠そうとして結局ばれて冷や汗をかいた経験が生々しくよみがえってくる感じ。心の表現がリアルでウってなる。

  • 井上真偽『その可能性はすでに考えた』

提示される推理に対して絶対にありえないことを反証する変なミステリ。提示される推理も奇天烈ながら筋が通っているように見えるし、登場人物それぞれが違う点から推理するから色んな推理が楽しめるのも面白かった。2024年に読んだ中で一番面白かったミステリかも。

2024年6月

  • 小林泰三『時空争奪』

SF集で、クトゥルフ要素強め。「C市」とかまんまクトゥルフに対抗しようとする人類の話だし。表題作の時空争奪(する/される)という概念が結構お気に入り。

  • 浅倉秋成『家族解散まで千キロメートル』

盗まれた仏像がなぜか家の蔵から見つかり、押し付け合いながら返しに行きつつ今までの膿を一個ずつ出していく。家族が必ずしもいいものではないものだなあ。

  • 不破有紀『はじめてのゾンビ生活』

ゾンビが生まれて当たり前になって…みたいなヘッドカノンを共有した上での色んな年代のショートショート。

  • 八女深海『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』

事件の情報を食わせると犯人だけを言い当てる”カミ”のお世話係として犯行の過程を調べていく話。メタ的には生成AIに犯人だけを書き、それを埋め合わせる形で人間が過程や背景を書いていったらしい。アイデアがすごい。

2024年7月

  • 桃野雑派『老虎残夢』

密室殺人×特殊設定×武侠×百合のミステリ。

  • 雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!7巻』

  • 神永学『心霊探偵八雲 完全版1巻』

死者が見える左目を持つ不愛想な八雲と、周りに流されがちで色々ひきつけるけど優しく素直な晴香。改稿前文庫版よりも現代風に柔らかな雰囲気になっていると思う

2024年8月

  • 小林泰三『肉食屋敷』

SFホラーの表題作は「ΑΩ」や「C市」っぽい。アンデッド×西部劇の「ジャンク」は処女作の「玩具修理者」を感じさせる。「妻への三通の告白」は夢野久作の『瓶詰の地獄』みたいでラブレターをテーマにこれを書く脳内が恐ろしい。「獣の記憶」は多重人格と本格ミステリ。ずっと変だったが割と読みやすかった

  • ジョナサン・キャロル『我らが影の声』

子供のころ兄を殺してしまった、その兄を描いて小説家になったがずっと振り回される…。じんわりとしたホラーを含んだ純文学って感じ。

  • 白井智之『名探偵のはらわた』

実際にあった凶悪事件の犯人が蘇って(乗り移って)再び凶悪犯罪を起こすようになった世界で、誰が?どうやって?を推理していく。あくまで現実の凶悪事件を元に脚色しているが、Wikipediaで凶悪事件を調べまくってた人にはおすすめ。

2024年9月

  • ダグラス・アダムス(安原和見訳)『銀河ヒッチハイク・ガイド』

数ページで地球が滅び、宇宙人フォードと一緒に宇宙をヒッチハイクしていくコメディSF。イギリスっぽい皮肉でコミカルに進んでいくけど、展開がかなり奇想天外で面白かった。

  • 中山七里『作家刑事毒島の嘲笑』

作家刑事毒島シリーズの3巻目。思想的な部分がかなり強く出ていて正直ちょっとのめり込めなかったかも。

  • 中山七里『嗤う淑女』

言葉巧みにコンプレックスや悩みを刺激し、的確なアドバイスと美貌で信頼を得て、そして人を狂わせる、そんな悪魔みたいな悪女に狂わされる人々の話。盲信のさまがすごい。

2024年10月

  • 乙一『GOTH 夜の章』

悪趣味で、浮世離れしていて、死と殺人に憧れがあって、そして言いふらすことはない。中学生の頃に読んでいたらハマっていたかもだけど…。

2024年11月

  • 芦沢央『神の悪手』

将棋棋士の生き様や対話が現れたどんでん返し。81マスの小さな世界だからこそ描けるどんでん返しだった。

  • 澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

正体不明の化け物「ぼぎわん」が玄関先にやってくる。絶対に答えてはいけないし、開けてもいけない。霊能力者たちを頼りどうにか家族を守ろうとするが……という、迫り来る系のホラー。人怖系の恐ろしさもあって、3つの視点から少しずつだけ全貌が見えていく展開が面白い。

2024年12月

  • 珪素『異修羅10巻 殉教徒孤行』

かなりまずいことになってきた。

  • 西尾維新『怪傑レディ・フラヌール』

返却探偵シリーズ第三弾。最後の盗品を残していたら、返却した偽フラヌールが現れた。最近の西尾維新はかなり家族っぽいものに焦点を当てていると思う。

終わり

2024年に読んだ小説の数は計34冊らしい。やっぱり忙しくなかった4月が一番読んだ冊数多かった。

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